83

里香の視点

翌日の午前、私は時間通りに天際創研へ到着した。

今回の会議は前回よりもさらに踏み込んだ内容だった。――両社で共同開発する医療機器の、具体的な技術スキームを固める必要がある。中核部門の責任者が全員揃い、長いテーブルの両側は人で埋め尽くされていた。

会議は二時間以上続いてようやく終わった。

目をこすり、七海と今後のスケジュールについて話し合っていると、司のスマホが鳴った。

彼は着信画面を一瞥し、微かに眉をひそめると、七海に「すみません」と一言断って立ち上がり、窓際へ歩いていって電話に出た。

しばらくして戻ってきた彼の表情は、どこか奇妙だった。

「憲弘からだ」

私の隣に...

ログインして続きを読む