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里香の視点

午前三時。研究室の明かりはまだ点いていた。

モニターを睨みつけ、キーボードを叩く指を休めない。

この論文に丸半年を費やし、何度修正を重ねたか分からない。窓の外が白み始めた頃、ようやく最後の句点を打ち込んだ。背もたれに深く寄りかかり、凝り固まった首を揉みほぐしながら、細く長い息を吐き出す。

それからの数日も、私は研究室にこもりきりだった。

その日の午前中、不意にスマホが震えた。

司からだ。

「今日、憲弘が提携の話でそっちに行く」

電話越しの声には、わずかに申し訳なさが滲んでいた。

「でも、こっちで急用が入って手が離せないんだ。代わりに頼めるか?」

一瞬、言葉を区...

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