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里香の視点

私はフロアの隅に座り、シャンパンをゆっくりと口に運んでいた。

視線をダンスフロアへ滑らせる。司はフロアの脇で誰かと挨拶を交わしているが、私はそちらへは向かわなかった。

憲弘が陰鬱な顔つきで戻ってきた。どうやら誰かに誘いを断られたらしい。ひどく酸っぱいものでも噛み潰したような顔だ。――誰が彼を袖にしたのか、詮索する気は起きない。私はただシャンパンを口に含み、心の中でその見知らぬ相手にひっそりと称賛を送った。

少し離れた場所でグラスを手にしていた拓海が、その様子を見て和也の耳元で何かを囁いた。肩が微かに揺れている。面白がっているのだろう。和也は視線を巡らせただけで、表情は変え...

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