第127章 汚れた心

松本隆一は彼女を解放したが、その瞳には険しい色が宿っていた。

「今回は見逃してやる。だが警告しておく。俺の堪忍袋の緒をこれ以上試そうとするな。それから、お前があの子に抱いているその『感情』……俺が気づいていないとでも思ったか? ハッ、もし今のその想いが本人に知れたらどうなるだろうな。俺を避けるように、お前のことも避けるようになるんじゃないか」

松本隆一が言い終わるや否や、松本佳木は拳を振り抜いた。全身全霊の力を込めた一撃は、速度も威力も極限に達していた。

「黙れ!」

松本佳木の漆黒の瞳は怒りに燃え、中性的な美貌からはいつもの温厚さが消え失せている。そこにあるのは凍てつくような殺意のみ...

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