第361章 ぼやけた写真

「写真を出せ。俺が見る」

城田景行の声には熱がなく、拒めない硬さだけがあった。

「それは無理よ。見たあとで約束を反故にされたらどうするの? これは私の最後の切り札なんだから」

徳木典子はそこまで愚かじゃない。切り札を差し出す気はなかった。金持ちなんて腹の底まで真っ黒だ。自分はまだ一銭も手にしていないどころか、はめられて身動きも取れない。今さら相手の言葉を信じるわけがない。

「……ふん」

城田景行は鼻で笑い、侮蔑するように言った。

「じゃあいい。写真がなくても、俺の力で黒幕くらい割れる」

そう言って立ち上がり、出ていこうとする。

その反応を見た徳木典子は、もう平静ではいられなか...

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