第366章 彼は処方箋が欲しい

彼のその返答に、湯川優はふっと動きを止めた。

今さらながら、目の前の男を見直す。

優の記憶の中で、今竹和弘はずっと火傷の痛みに苛まれてきたはずだ。そんな人間が、いつの間にか金を持ち、しかも医療会社まで立ち上げている――。

正直、理解の範囲を超えていた。

湯川優の顔に、うっすら不安の色が差す。

「……それなら、どうして今まで私に言ってくれなかったんですか? どうして、今になって急に?」

胸の奥で、ひどく嫌な符合が弾けた。

というのも、昨日のことだ。優は例の処方を城田グループ傘下の製薬会社に回すことを考え始めていた。まだ城田景行には話していない。けれど――。

城田グループなら、消...

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