第384章 しろい猫

城田奈美紀のことをはっきり口にしたわけじゃない。けれど城田景行は、彼女の声音の端に、どこか引っかかるものを感じ取っていた。

「誰か、余計なことでも言ったのか? 気にするな。今すぐ戻る」

そう言って、景行は立ち上がりかける。

城田家が城田啓之の遺体を引き取った件は、景行も把握していた。遺体を迎えに行く車を手配したのは、ほかでもない自分だ。家の者が本邸に集まっていることも分かっている。ただ、今日いったん外に出た湯川優が、こんなに早く戻っているとは思わなかった。

「私は大丈夫です。部屋にいるので、そんなに急いで帰らなくても……それより、お電話したのは別のことを伝えたくて。城田奈美紀に会った...

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