第395章 何の反応もない

城田景行は避けもしなければ身を引きもしない。ただ、湯川優が自分を叩くのを待っていた。

「ぱんっ」という乾いた音がして、湯川優の平手が彼の顎と首のあいだに落ちる。城田景行は眉ひとつ動かさない。むしろ口元に、うっすら笑みさえ浮かべている。それが逆に、彼女をびくりとさせた。

湯川優は慌てて手を引っ込めた。

「……壊してない? あなた、なんで避けないのよ!」

叩いてしまったことに、湯川優の胸には小さな罪悪感が残った。

本気で殴りたかったわけじゃない。どうせ向こうがひらりと躱すと思っていたのに、まるで「どうぞ」と言うみたいに、真面目に受け止めるなんて――想像もしていなかった。

城田景行は湯...

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