第397章

城田景行は、この小さな女が待ちきれなくなっているのだと察していた。

彼はじっと彼女を見つめ、口元にかすかな笑みを浮かべる。

「外に出たいんだろ。だが焦るな。あと数日だけ待て。そしたら俺が迎えに来て家へ連れて帰る」

湯川優は首を振り、抗議するように言った。

「だめです。もう一日だって待てません。そんなの、私の自由を縛ってるだけです」

これまでなら我慢できたかもしれない。けれど病室を出て、自由の匂いを一度でも吸ってしまえば——もう戻りたくない気持ちは膨らむ一方だった。

湯川優はむっとして言い放つ。

「それに、これは相談じゃなくて通告です。あなたもこの二日間のうちには、仕事で病院を出...

ログインして続きを読む