第415章 湯川優こそ重要顧客

湯川優は松本佳木に軽くうなずき、挨拶代わりにした。

鳳山啓人が切り出す。

「奥様、こちらへは何かご用件で?」

「ちょっとした用事よ」

「社長は大事なお客様とお会いする予定でして……奥様と許さんは先にオフィスでお待ちいただけますでしょうか」

鳳山啓人は慌てて説明を添えた。

湯川優がここへ来るのは、前回、城田景行と険悪なまま別れて以来のことだ。鳳山啓人はその場にいなかったものの、原因が若林夢子にあることも、あの日、湯川優が社長の送りを断ったことも把握している。

思い返すだけで胃が縮む。少しでも対応を誤れば、彼女の機嫌を損ねかねない。鳳山啓人は自然と慎重になった。

湯川優は穏やかな...

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