第421章 遊津雄二を陥れる計略

若林夢子は小さくうなずくと、バッグの中から一本の録音ペンを取り出し、執務机の上にそっと置いた。

城田景行がそれに手を伸ばして掴み取ろうとする。だが夢子は、指先が触れる寸前で録音ペンを押さえつけた。声を落として言う。

「景行……これは、私の持ってる最後の切り札です。もし、あなたまで私を計算に入れてるなら……私、本当にどうしたらいいか分からない」

景行は手を引っ込め、椅子の背にもたれて夢子を淡く見やった。

「夢子。今さらそれを俺に言うの、遅いと思わないか。……信じられないなら、今すぐ持って出ていけばいい。な?」

夢子の顔には迷いが滲んだ。彼女が欲しいのは条件でも何でもない。せめて、約束...

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