第80章 お前の匂いは吐き気がする

病院。

湯川優は鼻がむずむずするのを感じた。くしゃみが出そうだ。

しかし、くしゃみは不発に終わり、息苦しさを覚えて目を開ける。すると、城田景行と視線がかち合った。

自分がベッドに寝ている傍らで、城田景行が腰かけ、彼女の髪を一房つまんで鼻孔をつついていたのだ。

「……何なんですか、もう」

優は憤然と身を起こし、彼を睨みつけた。

夢の中で鼻がむず痒かったのは、こいつの仕業だったのか。

「ふん。会社から病院に戻ってきても起きないくらい、泥のように眠る奴がいたもんでな。俺という患者様が場所を譲ってやったってのに。これ以上寝続けたら、寝ボケて馬鹿になるんじゃないかと心配して起こしてやった...

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