第120章

三人称視点

 高木文弘がスマートフォンを取り出すと、画面には野口裕史から送られてきた数枚の写真が表示されていた。

 薄暗い下水道の入り口を捉えた一枚。壁には生々しい弾痕がいくつも刻まれ、地面には赤黒い血痕がこびりついている。写真を確認した直後、タイミングを見計らったかのように野口裕史から着信が入った。

「アルファ。とある排水口でこれらの痕跡を発見しました。現場には複数の弾痕が残されていましたが、周辺を捜索した結果、遺体は発見されていません」

「警察の動きは?」

 高木文弘は短く問い返す。

「地元警察はすでに現場検証を終えています。彼らの見立てによれば、久保理沙は銃撃を受けて転落し、地...

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