第123章

三人称視点

 タクシーの後部座席に深く身を沈めながら、高木愛美はこめかみを押さえた。連日続く下腹部の重い痛みが、彼女から確実に体力を奪っていた。

 力なく窓ガラスに寄りかかり、焦点の合わない目でぼんやりと外の景色を眺める。

 ふと、隣の車線に停まっている黒いセダンが視界に入った。

 完全に閉まりきっていない窓の隙間から、サングラスをかけた女の横顔が覗いている。

 愛美は思わず目を細めた。

 あの輪郭……南川茜に似ている。

 視線を少し前へ動かすと、助手席にも別の女が座っていた。

 後ろ姿しか見えないが、特徴的な巻き髪と座り方が、どういうわけか愛梨に酷似している。

 愛美は一瞬息...

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