第124章

第三者視点

 診察室には重苦しい空気が漂っていた。高木愛美は椅子に腰を下ろし、不安げに両手をきつく握り合わせている。

 向かいに座る女医が顔を上げ、厳しい口調で告げた。

「状態は、私の想像以上に深刻です」

 愛美の心臓がどくっと嫌な音を立てた。

「……何か、あったんですか?」

 医師は検査結果の数値を指差す。

「子宮に深刻な炎症反応が見られます。それに、癒着も起きている。これは単なる前回の流産に伴う掻爬手術の後遺症だけではありません」

 医師は言葉を切り、蒼白になった愛美の顔を真っ直ぐに見据えた。

「長期にわたる極度の精神的ストレス、それに……あなたが言っていた、長期間の騒音...

ログインして続きを読む