第128章

三人称視点

 宴会場は水を打ったように静まり返っていた。

 参列者全員の視線が、南川茜の一点に突き刺さる。

 高木文弘はその紙切れを睨みつけ、到底信じられない作り話でも聞かされたかのような顔をした。

「妊娠だと?」

 文弘の声には、一切の温度がなかった。

 一歩後ずさると、茜に向けるその眼差しは、ありありとした嫌悪と疑念に塗り潰される。

 茜を抱いたことなど絶対にない。それだけは自分自身が一番よく分かっていた。

 だが、周囲の招待客や記者達は一気に沸き立った。

「嘘でしょ、南川さんが妊娠?」

「文弘様の子? それってゴールデンムーン・パックの次期後継者じゃないか!」

「とんでもな...

ログインして続きを読む