第133章

第三者視点

 ビクッと肩を震わせた高木愛美は、本能的に二、三歩後ずさり、手にしていたバッグをきつく握り締めた。

 薄暗い街灯の明かりを頼りに、目の前にいる人物の姿を捉える。

 女だった。

 全身ずぶ濡れで、髪は枯れ草のように絡み合い、身にまとっている衣服はボロボロに引き裂かれた挙句、べったりと血の跡がこびりついている。

 まるでゴミ山から這い出してきたばかりの乞食のような有様だ。

 だが、その顔だけは――高木愛美にとって、決して見間違えるはずのないものだった。

「久保理沙?」

 愛美は驚愕に見開かれた目を向ける。

 ドサッ。

 鈍い音を立てて、久保理沙は地面に膝をつき、愛美...

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