第14章

三人称視点

 高木文弘が療養院の病室のドアを押し開けると、南川茜がベッドで力なく横たわっていた。

 紙のように蒼白な顔。ドアの開く音に気づくと、彼女は苦しげに身体を起こそうとした。

「文弘……来てくれたのね」

 ありったけの力を振り絞ったような、ひどく掠れた声だった。

 高木文弘の胸に、ふと微かな罪悪感がよぎった。

 彼女を一人で療養院に閉じ込めておくべきではなかったのかもしれない。茜の病状は少しも好転しておらず、むしろ悪化しているように見えた。

 彼は慌てて駆け寄り、茜の身体を支え起こす。

 ベッドのヘッドボードに寄りかかった南川茜は、目元に涙を浮かべた。

「きっと、会いに来...

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