第145章

三人称視点

レッドストーン・シティ、愛美のマンション。

 部屋の明かりは消えたままだった。ローテーブルの中央には、一台のスマートフォンがぽつんと置かれている。

 高木文弘は窓辺に立ち、高木愛美に背を向けていた。その指先には、火のついていない煙草が挟まれている。

 丸山大翔はソファに腰を下ろし、両手を組んで額に押し当てたまま、押し黙っている。

 愛美の視線は、そのスマートフォンに痛いほど突き刺さっていた。

「もう一度再生して」

 愛美の声は、ひどく掠れていた。

 文弘が振り返り、眉間を深く寄せる。

「愛美、もう五回も聞いたぞ」

「もう一度再生してって言ってるの」

 愛美は顔を上げ...

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