第15章

第三者視点

 高木文弘の顔色は恐ろしいほどに沈み切り、その双眸には怒りの炎が燃え盛っていた。全身が小刻みに震えを打っている。

 高木愛美が反応する間も与えず、彼は狂った野獣のごとく真っ直ぐに突進してきた!

 ドゴッ!

 彼の拳が、丸山大翔の顔面に容赦なく叩き込まれる。

 その一撃を食らい、丸山大翔はよろめきながら後退した。口角から一筋の血が滲む。

 彼もまた激昂した。雄叫びを上げ、高木文弘へと拳を振り下ろす!

 二人のアルファが揉み合いになり、肉と骨がぶつかり合う鈍い音が連続する。

「やめて! 高木文弘!」

 高木愛美は恐怖に駆られて悲鳴を上げた。

 だが、高木文弘は微塵も手...

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