第158章

 第三者視点

「大輔! 助けて!」

 柚奈は焦燥に駆られて叫んだ。

 車の中でじっと座っていた大輔の目つきが、ふいに変わった。

 柚奈の腕を掴むチンピラたちの手を見て、彼の脳裏に暴力的な衝動が閃く。

 それはアルファ特有の縄張り意識だった。

 自分の所有物が侵されているかのような感覚。

 大輔は荷台からゆっくりと立ち上がった。

 動きそのものは遅いが、一歩踏み出すごとに重苦しい威圧感が周囲の空気を歪ませる。

 彼はスキンヘッドの男の前に歩み寄った。

 スキンヘッドは大輔より頭一つ分低く、首を反らせて見上げるしかない。

「おいデカブツ、何見てんだ? 死にてえのか?」

 スキンヘッ...

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