第164章

三人称視点

 古川英治は恐怖に引き攣った顔で天井を見つめていた。まるで何かおぞましい幻影でも目の当たりにしているかのように。

 喉仏を上下に引きつらせ、うわ言を漏らす。

「ゴールデンム……」

 途切れ途切れの低い声。

「……ゴールデンムの人間が、燃やしたんだ……ゴールデンムの人間を……」

 その一言を最後に、古川英治はガクンと首を横に倒し、深い昏睡へと沈み込んだ。

 傍らの心拍モニターが刻む波形が、ようやく穏やかなものへと戻っていく。

 高木愛美は眉根を寄せた。

 赤く鬱血した手首をさすりながら、眠りについた古川英治を見下ろす。

『一体誰が、ゴールデンムの人間を燃やしたって...

ログインして続きを読む