第18章

高木愛美視点

 高木文弘が私のマスクを剥ぎ取ろうとしていることに気づき、心臓が跳ね上がった。私は咄嗟にその手をピシャリと叩き落とした。

「何をするんですか?!」

 緊張のあまり、私の声は自分でも驚くほど甲高く上ずっていた。

 彼はハッとして動きを止めた。怒る様子はなく、宙を彷徨う指先がわずかに震えているように見えた。

 だがすぐに狼狽を隠すように、すっと一歩後ずさる。

「……失礼、人違いでした」

 その声はひどく掠れている。

「あなたが、あまりにも彼女に似ていたもので」

 正体がバレるのではないかと肝を冷やし、私も後ずさりして距離を取る。

「高木さん、今の振る舞いはいくら何でも無...

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