第二十六章

 高木文弘は二階のVIPルームに座り、ステージの中央に立つ南川茜を見下ろしていた。

 レッドストーン大学の年次チャリティー晩餐会は、あくびが出るほど退屈なものだった。

 本来ならこんな場は好まない。だが、南川茜にはこのステージが必要であり、ルナの光基金にとっても華々しいお披露目の場が必要だったのだ。

 彼女への埋め合わせとして、そして基金の世間体を保つためにも、彼が同伴しなければならなかった。

 その時、空気中に別のアルファの匂いが漂ってきた。

 高木文弘はわずかに目を細め、視線を向ける。丸山大翔だ。

 まさか彼も来ているとは。

 とはいえ、おかしな話ではない。レッドストーン・シ...

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