第34章

高木愛美視点

 どれほどの時間が過ぎたのだろうか。重い瞼を押し上げると、ぼやけた視界が広がった。

 喉は焼けつくように渇いている。少し脚を動かしただけで、足首に繋がれた重い銀の鎖がジャラリと冷たい音を立てた。私はベッドに手をついて上体を起こし、水を求めて辺りを見回した。

 ピンポーン。

 不意に、マンションのインターホンが鳴り響いた。

 こんな深夜に、一体誰が訪ねてきたというのだろう。丸山大翔だろうか?

 直後、ドタドタと足早で乱暴な足音が近づいてくる。

「誰だ」

 高木文弘の声には、明らかな怒気が孕んでいた。

「高木さん、こんばんは」

 スピーカー越しに聞こえてきたのは、年老い...

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