第39章

高木文弘視点

 ベッドサイドのテーブルからティッシュを一枚抜き取り、彼女の額と鼻先に滲んだ汗の粒をそっと拭った。

 その熱に気づいたのか、彼女は無意識に身じろぎした。避けるどころか、むしろ俺の方へすり寄ってくる。

 頬が俺の掌をかすめる。まるでいじめられて慰めを求める猫のようだ。

 ふっと呼吸が止まり、胸の奥が締め付けられるように痛んだ。

「愛美……」

 腕を伸ばし、布団ごと彼女の身体をそっと抱き寄せる。

 片手をうなじの下に滑り込ませて俺の腕を枕にさせ、もう片方の手で彼女の冷え切った手の甲を包み込む。少しでも俺の体温を分け与えたかった。

「怖がるな、愛美……」

 唇を動かし...

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