第41章

水瀬美和視点

 私は眉をひそめた。

「正気なの? 藤原陽子。私があなたの婚約式をぶち壊すとは思わないわけ?」

 彼女と北条遥輝が並び立ち、大勢の招待客からの注目と祝福を浴びながら指輪を交換する姿を想像するだけで――

 人前で誓いのキスを交わし、その瞬間から、藤原陽子が北条遥輝の『妻』になるのだ。

 そして私は、永遠に日の目を見ることのない、暗がりで彼と身体を重ねるだけの日陰の女へと完全に成り下がる。

 心臓がコントロールを失ったように激しく痙攣し、息が詰まるほどの痛みが胸を締めつけた。

 藤原陽子は肩をすくめ、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

「いいえ、あなたには無理ね」

 彼...

ログインして続きを読む