第四十四章

愛美視点

 鏡の前に立ち、メイクとドレスの着こなしを入念にチェックする。

 今日は美玲さんの誕生日パーティーだ。

 私と高木文弘の関係がどれほど冷え切っていようと、美玲さんだけは決して私を冷遇しなかった。だからこそ、彼女にだけは顔を見せようと決めていた。

「準備はできた?」

 ドアの前に立つ丸山大翔が声をかけてきた。深いネイビーのスーツをスマートに着こなし、私を待っている。

 ゴールデンムーン・パックとムーンリバー・パックの関係は、昔からずっと微妙なものだった。

 今回、松井美玲がわざわざ丸山大翔に正式な招待状を送ったのも、彼と高木文弘の間にある確執を少しでも和らげるためだろう。

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