第60章

高木愛美視点

 レッドストーン・シティのアパートで荷物をまとめていると、スマホにニュースの通知が届いた。

『高木文弘、前妻・高木愛美との婚姻関係の強制終了を発表。胎児との親子関係も否定』

 太字で強調された『親子関係の否定』という一文が、心臓を鋭くえぐった。

 手は震え、指先から滑り落ちたスマホが絨毯の上で鈍い音を立てる。

 ここ数日、私はずっと高木文弘の怪我を案じていた。

 高木一郎の容赦ない制裁。私を庇った彼の背中は、銀の杖でひどく打ち裂かれていた。

 生きてるかどうかだけでも確認しようと、電話をかけることすら考えたのに。

 それなのに……。

 彼は長老会の怒りを鎮める...

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