第六十六章

 愛美は悪夢から跳ね起き、失われた記憶が怒涛のように脳内へと流れ込んできた。

 夢の中の出来事は、すべて現実だったのだ。

 桜井家はゴールデンムーン・パックにおいてアルファを護る守護者の家系である。

 彼女は一族の中で最も幼い子供だった。

 一族のしきたりによれば、彼女は成人を迎えて初めて正式な守護者の列に加わるはずだった。

 しかし、すべてはあまりにも突然の出来事だった。

 ゴールデンムーン・パックで暴動が勃発し、一族の年長者たちはアルファを護るために命を落とした。

 狼族で最年少のアルファは、裏切り者たちの手によって黒い森に閉じ込められてしまったのだ。

 最年少の守護者として、愛...

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