第67章

文弘視点

 耳をつんざくような鋭い耳鳴りが、すべての音を塗り潰していく。

 極度の悲痛が引き起こした激しい生理的拒絶反応により、胃が激しく痙攣した。

 喉の奥から鉄錆の匂いが込み上げ、次の瞬間、口から鮮血が激しく噴き出した。

 俺は背中から壁に叩きつけられ――そのまま底なしの暗闇へと真っ逆さまに落ちていった。

 再び目を覚ました時、俺は松井荘園のベッドの上にいた。

 ガバッと上体を起こし、手の甲に刺さっていた点滴の針を乱暴に引き抜く。

「どこへ行くつもり?」

 松井美玲の声には、有無を言わさぬ威厳が満ちていた。

「愛美のところだ」

 俺はひどく掠れた声で吐き捨てる。

「あいつは...

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