第71章

第三人称視点

 激しい痛みが頭蓋骨をえぐるように走り、高木文弘の目の前で世界がぐらぐらと揺れ動いた。

 そのまま意識を失いそうになる。

「アルファ!」

 すかさず野口裕史が駆け寄り、その身体を支えた。

 愛美の胸に、ふと緊張が走る。

 高木文弘がこれほど苦痛に満ちた表情を見せるのは、滅多にないことだった。

 いつも傲慢で強気なその顔からは、今や血の気が完全に失われている。

 どうしたのだろう。どこか怪我でもしているのか。

 それともまた、自分の同情を引くための芝居なのだろうか。

「高木文弘、大丈夫? 病院で診てもらった方がいいんじゃない?」

 平野綾子が心配そうな声を上...

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