第83章

三人称視点

 野口裕史が高木文弘を病院へ急送すると、すぐさま武田賢人が治療を引き継いだ。

 病床で苦悶する高木文弘を見下ろし、武田賢人は点滴のボトルに鎮静剤と睡眠薬を密かに混入させた。

 高木文弘の肉体は、とうの昔に限界を迎えていた。

 長期にわたる違法薬物服用の副作用に、精神的な重圧が決定打となり、背中の傷の治癒を異常なまでに遅らせている。

 彼の中に眠る狼はすでに癒え、薬の必要はなくなったものの、副作用がもたらした損傷は決して元には戻らない。

 武田賢人は深く息を吐き出した。

 高木文弘が深い眠りに落ちている隙に、手早く脳の精密検査を実施する。

 スキャン結果を目にした瞬間...

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