第九十二章

 古川夫人がレッドストーン・シティに到着してからというもの、事態は随分とスムーズに運び始めた。

 彼女がそばでなだめることで、古川英治の情緒もかなり安定し、すべての検査に素直に協力した。

 高木愛美は最新の検査結果を手に、険しい顔つきを浮かべていた。

 彼女は古川夫人が持ち込んだ薬を再度調べ直したのだ。

 結果は、驚くべきものだった。

 『鎮静剤』や『栄養素』とラベルが貼られた瓶の中身は、到底まともな薬などではなかった。

 それは高純度の神経幻覚剤であり、長期服用すれば深刻な神経錯乱やパニック発作を引き起こす代物だった。

「健康診断の結果も、それを裏付けています」

 高木愛美は...

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