第九十五章

 病室の外で、丸山大翔は驚きを覚えると同時に、それ以上の興奮と歓喜に打ち震えていた。

 高木文弘の傍らに、高木愛美と瓜二つの女がいる。これで、愛美を奪い合う最大の障壁が一つ消えたというわけだ。

 彼は半開きのドアの前に立ち、息を潜めて室内の様子を窺った。

 二人のやり取りは、どう見てもただの看護師と患者のそれを越えている。

 文弘の視線は手元のタブレットに落ちたままだが、看護師の女は満面の笑みを浮かべ、熱を帯びた瞳で彼を見つめ、あからさまな好意を隠そうともしていなかった。

 あれほど馴れ馴れしい態度をとれるのは、間違いなく文弘自身が黙認しているからだ。

 大翔の口元が、冷ややかな嘲笑の形に歪む...

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