第99章

野口裕史はすぐさま階段を駆け下り、外へ飛び出した。

ちょうどその時、車から降りてきた高木一郎と鉢合わせた。

彼の周りには長老会専属の屈強なボディガードが十数人も控え、物々しい殺気を漂わせている。

その場の空気が、一瞬にして凍りついた。

裕史はエントランスに立ちはだかり、彼らの行く手を遮った。

「一郎さん、これは一体どういうおつもりですか」

一郎は忌々しそうに唇を曲げると、顎でしゃくって助手に一冊のファイルを取り出させた。

裕史がそれを受け取って目を通すと、眉間には深い皺が刻まれた。

それは、高木グループの名義で古川家のために紡績機械を購入したという決裁書類だった。

「この書類が、...

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