第102章

その言葉を聞いて、私は思わず口元を緩めた。心の中で思う。坂下直樹と坂下あゆみ、この兄妹は本当に一心同体というか、片時も離れないだけあって思考回路も言い訳も瓜二つだ。

「坂下直樹、真実はもう目の前にあるのよ。これでもまだしらを切るつもり?」

 私はポケットから一枚の写真を取り出した。以前届いたものと似たアングルだが、今回は決定的に違う。そこには裸で泥のように眠る坂下直樹と、その胸に抱かれる霧雨みよの姿がはっきりと写っていた。

「合成だ、この写真は絶対に合成なんだ! 僕を信じてくれよ、ねえ、真美!」

 坂下直樹は息をするように嘘を吐いた。きっと腹の中で事前の言い訳を組み立てていたのだろう...

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