第136章

坂本天宇は説明するように言った。

「発つのはまだ数日先だが、その準備で少しバタバタしそうだ。千葉源のほうを見張っている時間は取れないかもしれない」

 私は首を横に振った。

「ううん、大丈夫。もう十分助けてもらったもの。それに、今は千葉源のところからそう遠くないし、時間ができたら私が行ってくるわ。直接会って話してみる」

「分かった」

 通話を終えて振り返ると、すぐ近くに父が立っていた。今の会話が聞こえてしまったのだろう。父は深く眉間に皺を寄せていた。

 どれくらい聞かれたのか分からず、私は口をつぐんだままでいた。すると、沈黙に耐えかねたように父が口を開く。

「真美、坂下直樹の会社...

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