第24章 お金、忽然と消える

やはり、田中進が出て行ってから間もなく、坂下直樹はオフィスに戻ってきた。彼は私を見ても慌てる様子もなく、とても落ち着いた様子だった。

私はすぐに尋ねた。「朝早くから、どこに行ってたの?田中進から電話があったの?」

「彼から電話があったんだ。君が出社するって言うから、驚いたよ。昨夜も何も言ってなかったのに」彼は上着を脱いでハンガーにかけ、それから私の方を見た。「ちょっと道中で工事現場を見てきただけだよ」

私はストレートに答えた。「急に思いついたの。さくらを幼稚園に送って、ふと暇だなって思って」

彼は私の隣に座り、顔を上げて私を見た。「帰りに考えたんだけど、もし君が出社するなら、総合事務...

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