第36章 会議 臨時交代

入選された会社は全部で六社あり、坂下商事は恐らく最も小さな会社、つまり最も競争力のない会社だろう。

正直に言えば、成功する希望など全く抱いていなかった。私が来たのは、ただ坂下直樹の視線を逸らすためだけだ。

数社の入札会社は大会議室に集まり、東洋天宇のプロジェクト責任者を待っていた。今回の会議は主に入札会社が自社の資質をアピールし、初めての打ち合わせで印象を深めるためのものだった。

五分経っても相手の責任者が現れず、つい気が散る人も出てきた。

皆がひそひそと話し始めたその時、会議室のドアが突然開き、全員の視線が外へと向けられた。

若い男性が外から入ってきた。白いワイシャツに黒いスラッ...

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