第41章 見知らぬ男の慰め

この時になって初めて、私はそんなに強くなかったのだと知った。

おそらくは悔しさから、冷静に写真を撮り終えて、家から飛び出すことができたのだろう。

でも、あの狂気じみた光景が私を狂わせるには十分だということも分かっていた。

あんなに長く探していたあの女性が、まさか目の前にいたなんて。

坂下直樹がこんなに吐き気がするほど気持ち悪い人間だとは思わなかった。まさか自分の妹と関係を持つなんて。

そんな狂気の中で、私は川の水に飛び込んだ。そうすることで自分を清めて、正気を取り戻そうとしたのだ。

坂本天宇に水から引き上げられた後も、私はまだ泣いていた。肩が小刻みに震えていた。

目の前は霧がか...

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