第60章 家に帰る目的

翌日。

私はさくらを連れて実家へ向かう航空機に搭乗した。途中で香織に電話をかけ、私の件を急いで進めるよう念を押した。計画の一つ一つが狂ってはならない。

「もう位置確認したから、ずっと見ておいてね」と私は伊藤香織に念を押した。

伊藤香織は笑うだけだった。「大丈夫よ、帰ってきなさい!おじさんとおばさんによろしく伝えてね!」

「うん」

伊藤香織との通話を切ると、ふと坂本天宇が以前送ってきた資料のことを思い出した。彼はなぜあれを送ってきたのだろう?そして、なぜ私を助けると言ったのだろう?

何度も迷った末、結局は携帯電話の電源を切り、坂本天宇に連絡することはなかった。

あの男は危険だ!

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