第65章

「どうして、そんな姿に……?」

「いろいろあってな」

 千葉源は力なく首を横に振った。自身の変わり様について、多くを語る気はないらしい。

 私の記憶にある四年前の千葉源は、商業界の麒麟児そのものだった。身体に吸い付くようなオーダーメイドのスーツに、凛とした立ち姿。若くハンサムな独身貴族として、誰もが羨む存在だったはずだ。

 それが今ではどうだ。白髪の混じった頭髪、猫背気味の姿勢、身体の線に合っていない服……。この四年間、一体彼に何があったというのか。

「せっかく来てくれたのに、何のもてなしもできずすまないね」

 千葉源が苦笑交じりに詫びる。私は首を振り、気にしていないと伝えた。

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