第73章

思源会社に足を踏み入れた私は、不安で胸が押しつぶされそうだった。これから何が待ち受けているのか見当もつかないし、坂本天宇がなぜ一緒に入ってこなかったのかも分からない。もしかして、私に千葉源とサシで話す機会を与えてくれたのだろうか? もし交渉決裂になったら、その時は彼が助け舟を出してくれるつもりなのだろうか。

 千葉源は入り口に立って私を待っていた。その様子から、ずいぶんと長い時間待っていたことが見て取れる。私を見つけると、彼は満面の笑みを浮かべた。その姿を見て、私は彼が以前と少し変わったことに気づく。全体的に雰囲気が若返り、服装も私が昔知っている頃のスタイルに戻っていたのだ。

「高橋真美...

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