第81章

その女の子は、私だとわかると露骨に不機嫌な顔を見せた。

「『大丈夫か』って? 起き上がれるなら、こんな地面に寝転がってなんかないわよ」

 私は呆れて白目をむきつつ、強引に彼女を立たせた。そこへ、店のマネージャーが揉み手でもしそうな愛想笑いを浮かべて近寄ってくる。

「高橋さん、誠に申し訳ございません。お連れ様の件、当店が責任を持って対応させていただきます。あの警備員は、いかがいたしましょうか」

 私の、連れ?

 人混みの中にいる坂本天宇に視線をやると、彼は小さく頷いてみせた。なるほど、さっき姿を消したのは、マネージャーを呼んで私を助けるためだったのか。

「規定通りに処分して」

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