第152章

エレベーターを出た後、三原由美は医者オフィスへ向かい、高波直俊はそのまま病室へ向かった。

二人は左右に分かれた。

オフィスに着くやいなや、同僚たちの噂話が聞こえてきた。「聞いた?坪田真耶が精神を病んで、青山精神病院に入院させられたんだって」

もう一人の女性同僚が信じられないという様子で尋ねた。「マジ?ウソ?」

眼鏡の男性医者が言った。「もちろん本当さ。ニュースにも出てるのに、知らないのかい!三原家が彼女を病院に送り込んで、精神科のベテラン先生が直々に診断書を書いたんだ」

「はぁ…」女医者が長いため息をついた。「あの子のことを考えると…美人で、三原家のお嬢様で、学識も高学歴...

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