第167章

残酷な言葉が高波直俊を底なしの沼に突き落としたかのように、大きな体が揺らぎ、倒れそうになった。彼は彼女の両腕をきつく掴み、掠れた声で叫んだ。「ありえない、信じられない。お前はかつて俺をあれほど愛していたのに、どうして愛さなくなるなんてことがあるんだ」

三原由美は軽く嘲笑した。「あなたも『かつて』だったって分かってるじゃない!五年よ、どんな深い感情だって薄れるわ」

そう言うと、彼女は一本一本指を丁寧に彼の手から外し、冷静に床に落ちた服を拾い上げ、一枚一枚着ていった。

表面上は冷たく無情に見えたが、心の中では血を流していた。

彼女の言葉は矢のように高波直俊の心を貫いた。

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