第73章

紅葉亭の話を聞いた三原由美は、即座に断った。「無理よ、私は行かない!この顔で、どうやって行くの?みんなに殴られたって知られたいの?」

彼が黙っているのを見て、三原由美はさらに言った。「行きたいなら、あなた一人で行って。私と明は行かないから」

高波直俊は彼女の言い分にもっともだと思った。

三原由美の顔の腫れは随分引いたものの、まだ五本の指の跡がはっきりと残っていた。首や鎖骨にある噛み跡も、誤解を招くだろう。

少し考えた後、彼は迷わず携帯を取り出し、田中和也と青木直樹にメッセージを送った。

「三原由美が病気になったから、俺が彼女と明の面倒を見なきゃならない。だから行...

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