第83章 私たちは面子がないのか

佐藤悟は団地を出て車に乗り込むと、すぐに小林橋に電話をかけて調査を依頼した。

彼には自分を一度だました人を完全に信じることなどできなかった。

悠斗のことをまだ調べていた小林橋は、また新たな調査依頼を聞いて、社長に給料アップをお願いしたくなった。「本当に渡辺さんを調べるんですか?」

あなたの高嶺の花じゃないですか?

彼女のために山本さんと離婚するつもりだったんじゃないですか?

何を調べるっていうんですか?

「頼んだら調べろ。なんでそんなに無駄口を叩く」佐藤悟は今、機嫌が良くなく、言葉遣いも冷たかった。「彼女がいつ入院したかを調べて、それからその期間の足取りを調査しろ」

もし嘘なら...

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