第28章

綾波東也は用事を片づけるのが早い。まして橋野振武の件など、G市では大した秘密でもなかった。

橋野悠希は、手元の「橋野振武・現住所」と書かれた紙を見つめ、怒りで笑いが漏れた。

ブルーベイ?

G市でも指折りの高級住宅街だ。橋野振武の商才と度胸で、こんな場所を買えるはずがない。となれば答えは一つ――彼女が受け取るべき金に手をつけたのだ。

私の金で飲み食いして遊ぶ? 橋野家の人間に、そんな資格はない。

綾波東也は調査資料に目を落とし、呆れたように舌を鳴らす。

「いやいや、お前の親父、マジで面の皮が厚すぎだろ。商売でコケて借金まみれのくせに、お前の身分証で名義の財産移してさ。しかもバレてる...

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